Bigmouth WEB MAGAZINE

文化CULTURE

#火曜日のソムタム Vol.2

#火曜日のソムタム Vol.2

火曜日のソムタム出張編という事で、前回ご挨拶させて頂いたさんどろんからバトン受け取りました。

今回はソムタムワナカーンのiroiro靖子が書かせて頂きます。

昨年コロナの影響で渡航できなくなり長年タイで衣類中心に物づくりをしている私自身のビジネス的には、現地に行って実際に眼や手で触れて感じながら素材選び生産者探しをしているという事もあり大変困った状況に陥りました。タイへは諸々の制約と条件付きで極限られた人だけが入国可能という昨年の状況から、感染封じ込めの兆しの見えだした年末頃になると少しずつ日本国籍でタイ人の親族が居ない人間にもビザなしで入国許可書が下り出すという状況になって来ました。そこで2021年新年明けたと同時に、よし!自分へのそしてiroiro(私の仕事屋号です)へのお年玉だ!と航空券をネットで購入し1月はまるっと1ヶ月まずは入国許可書取得のために奔走し(タイ国領事館の皆様、そしてシステムづくりに尽力下さっていた方に本当に感謝)晴れて入国許可証を取得する事が出来、2月1日から入国後14日間の隔離ホテルでの強制隔離生活を経て2月16日から3月半ばまで約1か月弱タイに潜入生活(ほぼ仕事でしたが...)して参りました。今回は写真で今年2月、3月のタイでは一番感染状況も落ち着いていた時期を振り返りつつのレポートをさせて頂きたいと思います。



深夜に成田からスワンナプーム空港に着いたので隔離ホテルに搬送されて(飛行機を降りると同時にしっかりと捕獲?され厳重監視のもと隔離ホテルまで。...絶対に国外からウィルスの侵入を許すまい!との強い覚悟が感じられる観光客受け入れ態勢。ですのでホテルへの送迎という名目の実際は搬送、という言い方の方が正しい様な雰囲気でしたのでここではこう言わせてもらいます。)そのまま疲れ切って即就寝。

翌朝カーテンを開けるとこの景色でした。これを14日間毎日見続ける。明けても暮れても、晴れても雨が降ってもこの景色。バンコク。ここはバンコクの極々中心部にある隔離ホテル。BTSのパヤタイ駅近くで、この窓にへばりつくとぎりぎりビルとビルの谷間を走り抜ける電車が見えるくらいの場所でした。久しぶりのバンコクの景色。1日目の朝はやっと来れた~という感動でこの景色にさえ少し目頭が熱くなりつつ...でも 14日間も続くとそんな感動はどこへやら・・・でしたが。

14日間隔離され、1回目のPCR検査で陰性をもらうまでは部屋から一歩も外に出れないという実質上は投獄生活のような日々。約1年ぶりに仕事でタイに来ているわけですから毎日部屋でホテルのオプションについているNetflixを片っ端から観ていく事に併せて仕事も山ほどあるのですが後半の約1週間は外へ出れないのが本当に辛く(ご飯もホテルの食事が口に合わずストリートフードが恋しくて仕方なく)苦行のような日々でした外からの差入れはOKなもののお酒と激辛や生ものなどのお腹を壊しやすいものは没収されてしまうという悲惨なルールが私が滞在する前の週くらいから出来たとかなんとかでタイの友人が持ってきてくれたソムタムは見事に没収されてしまいました。悲しかった!

そんな時に聴いて心を落ち着かせつつ外へ出た時の事を考えて静かにわくわくするのに絶好の瞑想感があり、集中力もぐっと高まるという謎の効用もあるのでほぼ毎日聴いていたのはタイのレーというジャンルの音楽(仏教の説法を民謡調のリズムとメロディーに乗せて高音で声量たっぷりに唱える様に歌唱する民謡の一種。)のMIX。 モーラム、ルークトゥンを始めとするタイ独自のジャンルのレコード収集活動と MIXSNSMIX CLOUDのアカウントにて紹介されているPhin Khaen Delicの墓場戯太郎さんという方の

TAMBUN MIX(TAMBUN-タンブン-=徳を積むという意味のタイ語)。

https://www.mixcloud.com/guitarow/pkd-tahmbun-mix-tambun-gan-thoet-thai-45slps-lae/

仏教国のタイならではのこのレーのようなジャンルも大衆音楽としての栄華を築いた一時代があるわけで、神妙な雰囲気の宗教音楽とはまた一線を画すバイブスがあります。こんなこと言って良いのか分かりませんがずーっと集中して耳を澄まして聴いているとガンガンに踊りたくなる様なグルーブ感も生まれてきます。



チェンマイの夜市からお気に入りの食堂までのぶらぶら散歩をInstagramアカウントにてライブ配信

しました。最後にたどり着く行きつけの食堂はBGMも最高です。チェックしてみてください。




さて、実際タイ・アジアの音楽パーティを主催している身ではありますが隔離ホテルのNetflix見放題というオプションに甘んじていろいろと映画もドラマも観ましたが最後ドはまりしてしまった

The End of The FxxxingWorld 」というドラマ。

その挿入歌が全部良い。その中でも最後の最後に明日隔離ホテルから無事出所出来る!という前夜に不意打ちを喰らってかなり参ってしまったこの曲たち。隔離ホテル後に最初に訪れたチェンマイではずっとこの2曲が頭の中で流れていました。旅ってそんなものです。タイにいるからってタイの音楽ばっかり聴いてるわけではない。そして日本や他の国でまたこの曲を聴いたときにタイの事を懐かしんだりするわけなのですから。

忘れられない曲になりました。






#火曜日のソムタム Vol.1 


『Instagramにて毎週 #火曜日のソムタム というアジアに関するリレーコラムを掲載中!!』

ソムタムワナカーン
ソムタムワナカーン

ソムタムワナカーン Somtam wan ang khaan

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Somtam wan ang khaan
ส้มตำ วันอังคาร ソムタムワナカーン
~タイ、そしてアジア音楽の集い~

since 2018.02 from 福岡
ソムタム(青パパイヤのサラダ。タイ・イサーン地方の三大ソウルフードの一つ)に取り憑かれたタイ好きメンバーが集い始まったDJ PARTY。ワナカーン(タイ語で火曜日)が第一回目の開催日であった事がその名前の由来。レギュラーメンバーはhassi、kiimao tong、yogi、ERROR、カーネル食堂、iroiro靖子、さんどろん。これまでにSoi48、江村幸紀(EM Records)、MOOLA(ヤンガオ)、OMK 、Juu & G.Jeeらをゲストに迎え、平日・週末問わずKieth Flackを中心に開催。2020年には大阪YOKSOK出張編そしてタイフェス佐賀のフロアを沸かせた。現在はタイ国境に留まらず、アジア全域のカルチャーとムーブメントが体感できる、九州では唯一無二の多国籍感覚パーティとして進化中!パスポートいらず、旅に行ったつもりでお楽しみ下さい◎