世界放浪 ~シヴァ神と仙人サドゥ~ Vol.18
都会デリーの衝撃
手足合わせて恐らく100を軽く超えるくらいの箇所を蚊に刺されて昨夜からずっと痒い。
バラナシからアーグラに移動する鉄道の中で刺されたに違いない。
全くあの鉄道はツイていなかった。
バラナシのルドラゲストハウスの晃子さん(元・看護師)にメッセし、塗り薬を教えてもらって薬局キオスクで購入する。
100%天然ハーブの虫よけ液も発見し、小さいペットボトルの水に何滴か垂らして混ぜ、全身に塗る。
アーグラから首都デリーまで3時間ほどバスで移動する。
エアコンが効き、席の座り心地も良く快適だった。
この移動の間にあれこれ考えていたら、忘れられない驚くような気付きが訪れた。
これが天啓というのか分からないけれど、また改めて書いてみようと思う。
さて、デリーではバラナシで出会った日本人のぞみが働いているので、彼女の家に泊めてもらうことになっている。
バスがデリーに到着すると、地下鉄に乗ってイエローラインでハウズカース駅に向かう。
メトロの駅に入って驚く。ケンタッキーを始めとするチェーン店が並んでいる。全くの都会だ。
駅の前の広場や構内に寝ている人もいない。
サリーを着ているのは年輩の女性だけで、ほとんどの子がジーンズだ。
もちろん額にビンディーもしていない。
ここは本当にインド?
車内の電光表示も音声案内もまるで他の国だ。
洗練された雰囲気は、12年前に急ピッチで拡張されていた北京の地下鉄を思い出させる。
のぞみと落ち合う。のぞみはインドが好き過ぎて、ヒンドゥー語を勉強して現地採用者として日系企業で働いている。
インド人の同僚が多く指示を出すこともあるという。
住みたい国がはっきりしているとそういう働き方の選択肢もあるのだと実感する。
今夜はクラブに連れて行ってと頼んでいた。
ボリウッドを生み出すダンスの国、きっとクラブが面白いに違いない。
ハウズカースは、インドの代官山。
センスの良いカフェやレストランが所狭しと並んでいる。
レストランに入り、揃って黒いシャツを着て一目でクリエイターだなと分かる男の子たちと仲良くなり(実際は建築家、インテリアコーディネータ、Webデザイナー)、うち一人が村上春樹の大ファン・ハルキストだと興奮して語り始める。
軽く食べて飲み、一人2,000ルピー(3,200円)ほど。
日本とほとんど変わらない。
バラナシの物価からすれば20倍近い。
その後、カッコいい女性DJがガンガン洋楽の流行曲をかけてくれるクラブで汗だくになるまで踊った。
バラナシとの差が凄いけれど、これもインドなんだよなあ。
自由業。CROSS FM元代表取締役社長、経営破綻寸前だった同社を再建。
2019年2~3月、仙人サドゥに会いたくてインドへ。昔は「東大生が教える!超暗記術」(ダイヤモンド社)を出版し、印税を使って52ヶ国世界一周ダンナ探しの旅をしていました(http://www.tokuwakako.com/)。