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百々和宏(MO'SOME TONEBENDER)ソロ4枚目のアルバム『OVERHEAT 49』完成!10月29日発売〜栗田善太郎ディスクレビュー

百々和宏(MO'SOME TONEBENDER)ソロ4枚目のアルバム『OVERHEAT 49』完成!10月29日発売〜栗田善太郎ディスクレビュー

百々和宏がソロワークを共にしてきたテープエコーズを解消し、手練のロッカー達とレコーディングした新作、

『OVERHEAT 49』が届いた。

来月で49歳になる博多の男、百々和宏はMO'SOME TONEBENDERも動かしながら(大切にしながらといったほうが良いか)、ソロワークを続けて来た。

酒を愛し、紫煙をくゆらせ、先輩のバカ話に大声で笑うという博多のミュージシャンの伝統芸を、頑なに?守るという生き方。

そんな百々和宏が49にして産み落としたアルバムが【49回目のオーバーヒート】とは素晴らしいネーミングだと思う。

こんなにぶっ壊れる事を愛し肯定し続けるROCKらしさをほっとく事が出来ようか?

ソングライターとしてはどんどんタガが外れシンプルに正直に、シンガーとしては歪んだ爆音にはシャウト、

アコギには浮遊感ある優しさを兼ね備えスキャットまで披露し魅力は増すばかり。

ロッカーとしては前述の通りw



ロッカー、バンドマンとしての生き方を『鬼退治』と題し、アルバムのオープニングにクレジット。

ソロワークの連作になっていて私小説的な『ロックンロールハート』は今作で『ロックンロールハート(ア・ゴーゴー)』となった。

過去を振り返るものではなく、50を前にした決意表明にも聴こえる。

『H・A・K・A・T・A・ BEN』では今や全国区な博多華丸大吉的なものとは一線を画すドープな博多弁で埋め尽くされている。

ヨソイキなビジネスライクな方言ではなく、身内に使うという意味だから、日常使いはしない死滅ワードを拾い、繋いだニューハカタロックスタンダードだ。

タイトルチューン『オーバーヒート 49』は車やバイクに例える、めんたいロックの系譜にある曲だが奥野真哉さんのオルガンがサイコー。

『ハルノハクチ』はテープエコーズの系譜でフォーキーなサウンドだが、百々らしい世界観。

『CRY GUITAR CRY』は王道のロックンロールチューン。贅沢なメンバーでヤマジさんの素晴らしいギターソロも聴ける。

『見習いスーパーマン』『コロちゃん』はプライベートライブテイクのようなサウンドでその分、歌詞が際立つ。『コロちゃん』のコロは疫病の。

『ジャグリ NU バー』は弾き語りかと思いきや、ギターと武井くんのトランペットが暴力的に絡み合う超オルタナ。

エンドチューンは『サルベージ』は歌を作り歌う人生を選んだ、私人百々和宏が感じられる。オープニングの『鬼退治』と対をなすと言っても良いだろう。

参加ミュージシャンは上記以外に有江嘉典、有松益男、といった福岡勢に朋友ウエノコウジ、ヤマジカズヒデという福岡人より福岡っぽいお二人。

モーサムの藤田勇やテープエコーズからのみわこも居て、MIX・マスタリングも福岡のUNKNOWN SOUND STUDIOの山中勲と福岡産が色濃く。


今作から自主レーベル『FUZZY PEACH』を立ち上げリリースされる『OVERHEAT 49』

いよいよ不惑でありながら、初期衝動も忘れない、そして辿ってきた道は肯定できる百々和宏の49年間。

リスナーも同じ気持ちを感じ、やっぱROCKって必要だなと再確認させるアルバムである。

「ねまって、いぼらんごつ、いこーや」だな。

しかし『FUZZY PEACH』も『OVERHEAT 49』も相変わらず良いセンスだなぁ。ツヤつけてから。

博多を懐う東京生活者に恥ずかしくない博多であらねばなぁと、在福モンは思うとりますけん。

【CD 商品情報】
アーティスト:百々和宏
タイトル:OVERHEAT 49
品番:MOMO-0001
価格:3,300円(税込)
レーベル:FUZZYPEACH
流通:UK.PROJECT
形態:CD
JAN:4514306018837
収録曲:「ロックンロールハート(ア・ゴーゴー)」、「H・A・K・A・T・A・BEN」、「鬼退治」他、全10曲

「OVERHEAT 49」は10月29日以降、ライブ会場、および百々和宏ホームページ内「BUPPAN store」にて購入が可能。
ネット通販の予約開始時期については現在調整中です。もう少々お待ちください。

TOUR「OVERHEAT 49」

2021年10月29日(金)鹿児島・Live HEAVEN
出演:百々和宏withウエノコウジ

2021年10月30日(土)福岡・黒崎LIVE HOUSE MARCUS
出演:百々和宏withウエノコウジ
OA:上野滉太(rococo)

2021年10月31日(日)福岡・UTERO
出演:百々和宏withウエノコウジ

2021年11月2日(火)東京・下北沢シャングリラ
出演:百々和宏
ゲスト:有江嘉典(VOLA&THE ORIENTALMACHINE/杉本恭一/MOON・BEAM/the pillows)、有松益男(BACK DROP BOMB)、ウエノコウジ(the HIATUS/Radio Caroline)、武井靖典・藤田勇(MO’SOME TONEBENDER)、ヤマジカズヒデ(dip)


https://momokazuhiro.com

栗田 善太郎
栗田 善太郎

栗田 善太郎 ZENTARO KURITA

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1971年福岡市生まれ。大学時代からラジオ制作に携わる。
2015年 cross fm特別番組『HAPPY HOUSE 〜 The Family's Starting Point〜』で民間放送連盟賞 第11回日本放送文化大賞グランプリ受賞
2018年 CROSS FM特別番組『Let the Good Times Roll!!』が平成30年日本民間放送連盟賞 ラジオエンターテインメント番組部門で、最優秀賞を獲得。
現在はCROSS FM URBAN DUSK、CROSS FM MUSIC AMP、NHK TV 六本松サテライトを担当。
BIGMOUTH WEB MAGAZINE編集長
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