文化CULTURE
世界放浪 ~シヴァ神と仙人サドゥ~ Vol.5
カーリー女神へのヤギの生贄
カルカッタ(コルカタ)の守り神は地名の語源にもなっているカーリー。
シヴァ神の妻、パールヴァティーの化身で、血と殺戮を何より好む残忍な女神。
このカーリーを祀った寺院が死を待つ人の家の隣にある。
毎日10:00~11:00に儀式があると聞いて向かう。
インド人の参拝客でごった返していて驚いていると、今日はお祭りで混んでいるけど少しお金を払えばショートカットできるルートがあると話しかけてくる人がいる。
高いお金を要求するガイドじゃないよね?と聞くと、寺院のマスターだと言う。
眼が落ち着いていたので、ひとまずついていくことにする。
靴を脱ぎ、赤いハイビスカスが連なったレイを買い、行列の脇から中に入る。入り口で500ルピー(780円)を要求されるが少ししか持っていなかったので200ルピーにまけてもらう。
建物の中で花に囲まれ、巨大な真っ黒のまるい石に、目鼻口がケバケバしいオレンジ色に塗られているのがカーリー女神。よく口から血を流す絵が描かれる。おどろおどろしい。
顔に向かってハイビスカスを投げ入れる。
黒いヤギが5~6匹繋がれている奥に、生贄の儀式の場所があった。いつも1頭だけだが、今日は特別なのだと言う。
すでに胴体がない2匹の頭が転がり、どす黒い赤い血溜まりがある。
1匹のヤギが連れてこられ、水で清められ、4本の脚を思い切り後ろに伸ばされる。ヤギも何が行われるか分かるのか、叫びながら必死で抵抗する。
ギロチン台に首をセットされるともう動けない。
躊躇なく一気に斧が振り下ろされ、黒ヤギの頭が飛んでいく。
ドサリと落ちた胴体は、輪切りになった首から鮮血を流しながらまだピクピクと動いている。
残忍で衝撃的な光景だった。
モンゴルの草原遊牧民はヤギが苦しまないように殺す方法を心得ていたが、インドで生贄となると話が違う。前者は血を一滴もこぼさずソーセージに入れていたが、後者は血を流すことに意味があるようだ。
その後、小さな木を奉った場所に入り、ハイビスカスを2つずつ額にあてて、父親から始まる家族一人ひとりの名前を唱え、ご加護があるように祈る。
祈り終わると、マスターが木に塗ってある赤い染料を額につけてくれた。
ヤギの儀式場の隣は台所。ヤギはこれから料理され人間の口に入る。
私たちは生かされて生きている。
マザー・テレサが死を待つ人の家を始めたとき、意志を持ってこの場所を選んだような気がする
インドで出会う旅人
障がいを持つ子どもを対象とした特別支援教育の仕事の契約の合間に、マザーハウスのハンディキャップを持つ子どもの施設に3週間ボランティアをしに来ているまりなちゃん。
フロリダから来た看護士のミシェルは、もう1ヶ月も死を待つ人の家でボランティアをしていて、あと2ヶ月いるらしい。
二人とも淡々とやって来て当たり前のようにボランティアをしていて、静かに感銘を受ける。
マザーハウスのボランティアには他にも様々な人がいて、中国人の熱心なキリスト教徒グループもいれば、お母さんが亡くなったばかりで自分の癒やしのために来た40代のイタリア人、もう1年以上毎日来ている50代の日本人や上智大学神学部の授業で来ている学生に、白髪の欧米系も褐色の肌のアフリカ系もいる。
泊まったサンタナには、毎日800円ほどしか使わず南から移動してきた20代や、バーを経営している30代、見るからに働き盛りの40代ビジネスマン、もう9年もインドにいてギターを設計している50代や、世界をあちこち放浪している60代と、日本人だけでもバラエティ豊富。
旅は私的なもの。それぞれの旅があり、それぞれの感じ方がある。
セネガルに留学していた中国人に、マリのトゥアレグ族の友達を紹介してもらい大収穫。今はISで行けないけれど、彼らの砂漠音楽フェスにいつか行きたいんだよなぁ。
徳田さんの旅の話が福岡で聞けるチャンス!いよいよ今週土曜日に迫りました!!
**TEDxFukuoka(テデックス)Live2019 参加申込の受付中**
4月27日、TEDxFukuoka(テデックスフクオカ)により、TED 2019の中継イベントTEDxFukuokaLive 2019が開催されます!
TEDとは、多様な分野の登壇者による18分以内のパワフルなプレゼンテーションの形で「広めるべきアイデア(”ideas worth spreading”)を共有する」非営利団体です。TEDx(テデックス)は、TED同様の活動を世界各地で独立して行う非営利団体のプラットフォームで、TEDxFukuokaもその一つです。
◆日時:4/27 (土) (開場:12:00)12:30~16:00 ◆会場:福岡市科学館サイエンスホール
◆定員:200名 ◆ 参加費:3,000円(学生1,000円)
“Bigger than us”というメインテーマの元に、福岡にゆかりのある下記の3名の登壇者を予定しています。
横山 千加子: 養蜂家、あらまき養蜂場オーナー
遠藤 幹子: 建築家、一般社団法人マザー・アーキテクチュア代表理事
徳田 和嘉子: 自由業、九州大学QRECアドバイザー、元(株)CROSS FM代表取締役
お問い合わせ・詳細はTEDxFUKUOKA
自由業。CROSS FM元代表取締役社長、経営破綻寸前だった同社を再建。
2019年2~3月、仙人サドゥに会いたくてインドへ。昔は「東大生が教える!超暗記術」(ダイヤモンド社)を出版し、印税を使って52ヶ国世界一周ダンナ探しの旅をしていました(http://www.tokuwakako.com/)。
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