近所に焼き鳥の美味しいお店がある。元々、夕食は自宅で食べることが多く、お店情報にはまったくもって疎いのだけど、九州以外の土地で串の豚バラがあるお店が近くにあるなんてラッキーだ。串盛りをテイクアウトして、ざくざくに切ったキャベツにポン酢をかけて食べる。焼き鳥を自宅で味わえるというのはありがたく、それはそれで美味しい。

自宅で長く過ごす時間が続く中、何かと工夫することも多くなってきた。新緑が芽吹く5月。朝陽が差し込む時間は早くなってきたし、窓から差し込む移ろう色に夏の気配を感じる。それでも日常生活は変わったようで何も変わっていないのかもしれない。少し先の未来を考えて落胆したり、いくつかの希望を見つけたり。思いやりを持って過ごしたいからそのひとつずつに私なりの折り合いをつける。想像の半分ほどしか進めることができなかったとしてもそれでよしと、思うようにした。身の回りに起こる様々なことに悩み考え続けることは多いけれど、身近な人たちのおかげでなんとか乗り越えられている。慎重さを忘れないよう気持ちを整えながら、でも天気が良いそれだけで十分だと思えることにほっとするようなことも今はある。いつものようにコーヒーを片手に夜になると音楽を聴く。

最近、立て続けにロンドン発の音楽を聞いていたのだが、数々の良リリースが続くサウスロンドンよりDry Cleaning。昨年リリースされたシングル「Scratchcard Lanyard」も収録のアルバム「New Long Leg」を名門4ADよりリリースしたばかりとのこと。なんだかすぐ近くにいるような音楽的な存在感と、ファニーなのにサウンドは重いというのもよい。メロディーを歌わないスポークンワーズスタイルは、sonic youth、Grace Jonesや、Patti Smithを聴いてきた人ならきっと好きになりそう。メンバー全員の音楽的な背景が異なるのだろうと勝手に想像する。まっすぐなポストパンクに、頷きながらライブハウスに行きたいと強く思った。

Dry Cleaning/ New Long Leg