山口洋(HEATWAVE) |博多今昔のブルース Vol.46〜ベイサイド・ミュージックジャンボリー
このサイトの首謀者、クリゼンの手の怪我がようやく癒えつつあるから原稿を復活させようか、と。
昔の博多埠頭、今で言うところのベイサイド・プレイスで行われた「ベイサイド・ミュージックジャンボリー」のこと。断っておくけど、イベントのオーガナイザーのひとりがクリゼンだからって、ヨイショの原稿を書くつもりは毛頭ないよ。
でもね。ほんとうに素晴らしかったんだよ。
そのラインアップは添付されるであろう、写真やポスターを見てもらうとして、まずは無料ってことに驚いた。いちおうオレもシャチョーであるからして、このメンツをフリーで集めるってことがどういうことなのか、想像くらいできる。
会場に着いたときから思ってた。なかなかの規模だし、無料だし、いったい誰が企画して、この資金を捻出したのか?
そういうの、演奏に甚だ影響するんだよね、オレの場合。
聞けば、会場であり波止場でもあるベイサイドプレイス。コロナの間に、かつての福岡のように音楽が人を繋ぐことができるように、ずっとお金をプールして、人々が行き交う場所として無料でイベントをやりたかったのだと。社長がスタッフたちにこう言ったんだと。お金は出す、でも代理店やイベンターに任せず、自分たちの力でやれって。
ちょっと涙出たね。
かつて、この街はこんな街だったんだよ。
自分の出番が終わっても、次の演者をステージ脇から見守り続けるイベントなんて実はとても少ない。欲や徳じゃなくて、そうやって音楽のバトンが無茶振りとともに次の演者に引き継がれていく。
初日のオーガナイザー、クリゼンが集めたロッキンなラインアップも素晴らしかったけど、二日目のバンバンバザールの福島くんによって集結した歌の曲者たちがこれまた悶絶級に素晴らしかった。
街の中で音楽がファンクションしていること。博多の空に歌声が響いていたこと。おそらく数千人の人々がとても幸せそうな顔をしていたこと。
ひとつだけ。
無料だから、こんなに来てくれたのだとしたら、嬉しいけど、哀しい。
イベントを開催してくれたベイサイド・プレイスになにもないときでも足を運んで欲しいし、好きになったミュージシャンのライヴには有料のときにこそ行ってほしい。
オレ?六角精児さんのCD、速攻買いに行ったよ。曲者たちのライヴ、すべて足を運ぶつもり。
ありがとう!素晴らしい日々だった。クリゼン、福島くん、スタッフのみなさん。来てくれたみんな。ほんとうにありがとう!!
あ!オレもできることやるから、来年も参加希望(モーレツに)。笑。
ヴォーカリスト、ギタリスト、ソングライター、プロデューサー、そしてランナーにして、スノーボーダー。
1979年、福岡にてヒートウェイヴを結成。1990年、上京しメジャーデビュー。現メンバーは山口洋(vo.g)、池畑潤二(ds)、細海魚(key)。山口洋がソロツアーの旅で新たな曲をつくってバンドに持ち帰るというスタイルで、ほぼ全曲の作詞と作曲を担当する。1995年の阪神・淡路大震災後、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)と「満月の夕」を共作。2011年の東日本大震災直後からは「MY LIFE IS MY MESSAGE」プロジェクトのさまざまな活動により、福島県の相馬をピンポイントで応援し続けている。仲井戸麗市、佐野元春、遠藤ミチロウ、矢井田瞳ら国内のミュージシャン、ドーナル・ラニー、キーラらアイルランドを代表するミュージシャンとの共演も多い。
http://no-regrets.jp