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酒場SAKABA

ラーメン記者の謹製 快麺伝 Vol.6

ラーメン記者の謹製 快麺伝 Vol.6

もう何年前になるでしょうか。友人(ここでは居酒屋マイスターと呼びます)に連れて行ってもらった店が「うるみ」です。


最寄駅はJRならば南福岡、西鉄なら雑餉隈と普段使いの店としては遠いですが、その居酒屋マイスターは、福岡市内からわざわざ通う常連さんで、私もたびたびご相伴に預かり、行くようになったというわけです。


何が気に入ったかというと、味はもちろん、やっぱり盛り方です。


まず刺身が分厚い! 佇立したレモンもいいでしょ! わさびの先端はVの字の細工が施されています。インスタ映えでしょ。ただ大将はインスタとか知らないと思います。


天ぷらの盛り合わせならこうなりますよ。大根おろし、ショウガの造形いいでしょ。この日は3人で来たから、薬味は3つに分けられています。この気遣い!?



刺し盛り、天ぷらの盛り合わせ、焼き物、煮物など食べ散らかして焼酎空けて1万円ジャスト。値付けも渋いんですよねー。


この店、食べログとかに載っていません。僕自身、地図とか行き方とかはネットに依存しているから、食べに行くときいつも場所に迷ってしまいますが、寿町の交差点の近くです。



と、ここまで書いたところで、居酒屋マイスターの話に戻します。


彼は最近、店ではなく、自宅でしか飲んでない(庭を眺めながら)らしいのですが、この前、共通の友人が東京から来たので久しぶりに外で飲みました。


行った先は博多の名店「つきよし」です。オープンしたての頃からたまに行ってましたが、ここ最近は満員すぎていっても入れないことが多い人気店です。


これまた3人で行って刺し盛りを頼むと「うるみ」と若干の共通点が! わさびが3つ分けられて載ってますね。



この店はうどん居酒屋の先駆けでしょうか。魚もうまいし、つまみも豊富。忙しいにもかかわらず、調理、提供、電話対応までにこやかにこなす大将の立ち振る舞いが見事です。



さらに締めはうどん(それも美味しい!)まで出てくる最高の店です。



で、くだんの居酒屋マイスターといえば、木箱を携えてきていました。


開けてみると東京から来た友人の名前にちなんだ窯元のお猪口! 友人はその焼き物で日本酒を呑んでいました。そして宴もたけなわ。焼き物を木箱に仕舞って、帰っていきましたとさ。



ラーメン記者、九州をすする!小川祥平著

小川 祥平
小川 祥平

小川 祥平 SHOHEY OGAWA

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1977年生まれ。ラーメン、うどん、カレー、酒場が好物。著書に「ラーメン記者、九州をすする!」。フリーペーパー「ぐらんざ」で「福岡麺人生」を連載中。KBCラジオ「小林徹夫のアサデス。ラジオ」内コーナーで月1回ラーメンを語る。