Bigmouth WEB MAGAZINE

酒場SAKABA

大阪元祖探訪録

大阪元祖探訪録

大阪に元祖が…というタレコミが入り、

心して門叩きしてきました。

大阪元祖、その名も「たま屋」!

元祖の「が」の字もない潔さですが、

看板のテイストから、元祖(以下、本家)と

何かしら関係があることに違いはないでしょう。

普段は1ミリも感じない「博多っ子」の血がたぎるぜ!




【お店に入るまで】

券売機スタイルです。

これは本店、通称「屋」と同じですが、

メニューの豊富さにボタンを押す手が震えました。煮卵高菜はまだしも、チャーハンにカレーラーメンだと…?

普段は亜流を許さぬワタシですが、

半チャーハン140円の破格っぷりに思わずポチってしまいました。



【店に入ってから】

本家ルールといえば、「カタいっぱーい」など

店に入るなり麺のカタさ、油の多さを申告するのですが、

大阪スタイルは券売機で決められます。

すなわち、券売機完結型!

ナマはバリカタ表記です。

残念ながら、油の量、ネギ盛はできません。



【実食】

ほどなくして「バリカタ」がやって来ました。体感、本家よりチョイ遅ぐらい。許容範囲。



さて実食の前に、重要なアイテム確認です。

紅生姜、ゴマ、タレ完備。

タレは本家同様ミニヤカンから注ぐスタイルですが、

大きな違いは、ウッスウスのお茶ではなく冷えた水でした。





…おや?

「うす味で提供しています」との気になるポップ。

スープを一口、熱々なのは良しとして確かに薄い。

油量が抑えられているのか、

喉から食道にへばりつくようなしつこさはありません。

麺をかっくらう前に早速タレをインします。

本家のタレといえば、博多のドラッグとも言われる、

ラーメンがバッドコンディションであっても適量垂らせば中枢神経が刺激され、味変というより中毒者を生み出す危険なブツですが、大阪元祖のタレは、中枢神経直撃感はなく、醤油ベースのコク深い、ラーメンを引き立てる本来の役割を果たす味でした。



いざ!主役の麺はどうだ!?

バリカタ(本家ではナマ)指定でしたが、

本家のような粉っぽさはなくサクッとした食感がしっかり楽しめる良麺です。

さらに本家の特徴といえば、

食べ進めると半ばでやってくる、

胃内麺膨張現象、コレもありません。

替え玉しようものなら我との闘いとなることもあるのですが、心配不要。

コンディションに応じて替え玉しましょう。



とここで、「半チャーハン」(140円)がやってきました。

おおおお!博多じゃ300円取る店もありそうなしっかりした量でコスパ高い!!!

火力強めで調理されたであろう、

ラードがきいたチャーハン、メチャ美味でした。

具材も卵とネギのみ、シンプルな構成でカンペキです。

亜流と揶揄してしまったことをお詫びします。



今回は、次なる展開があったので替え玉までは行きつきませんでしたが、

本家を食った直後に感じる独特の重々しさもなく、

口内に残るベットリ重油感もない。

清々しく純粋な気持ちでラーメンを楽しみました。

無理やり本家とこじつけるならば、「健康的な元祖」と言ったところでしょうか。



店を出て、賑やかな関西弁飛び交う千日前通りで、ふと思いました。

あー、元祖食いてえ…。  



おうちで元祖 EXTRA!!

ミチロウ
ミチロウ

ミチロウ MICHIROU

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座右の銘は「顔に笑顔を、ココロに中指を」
心の叫びは「メシ喰わせろ!」
遠藤ミチロウさんと同名であることを誇りに、
息苦しい日本社会をパンク精神で生き抜きたい
マスコミ勤務の32歳会社員。