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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 栗田善太郎レヴュー

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 栗田善太郎レヴュー


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延期に次ぐ延期でついに公開となった007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

延期はこの映画界での大ヒットシリーズを、なんとしても映画館で観てほしいという気概をビンビンに感じた。

プレミアでもジェームス・ボンドを演じるダニエル・クレイグがスクリーンでと語っていた。

この大ヒットシリーズの中でもダニエル・ボンドが私は一番好きだ。

ショーン・コネリーのボンドは勿論オリジナルと言う意味では素晴らしい。

がその後のボンドはハリウッド化が著しく、他の映画との差別化がしにくかったと思う。

ハリウッドへのカウンターとして英国らしさに立ち返ったダニエル・ボンドが生まれたのが、第21作のカジノ・ロワイヤル。

2006年の公開だった。敵役はマッツ・ミケルセン。

ダニエル・ボンドは今までで一番人間臭く、弱い面も見せた。

人間ジェームス・ボンドは恋に苦しむのだ。

歴代ボンドより身長も低いのが今までのイメージ払拭に役立った。

完璧ではないキャラ設定をダニエル・クレイグが見事に演じ、英国らしいクールさはスーツやボンドカーで見せる。

ガジェットはSONYだ。

この設定こそダニエル・ボンドを好きな理由だろう。

テーマソングも2008年公開の慰めの報酬ではジャック・ホワイトとアリシア・キーズのアナザー・ウェイ・トゥ・ダイだし、スーツはトム・フォードになる。素敵。

そしてスカイフォールとスペクターはサム・メンデスが監督しダニエル・ボンドの金字塔となる。完璧。

5代目ボンド。ダニエル・クレイグが最後を迎えた今作。

日系監督キャリー・ジョージ・フクナガが日本テイストも上手く取り入れ、恋に生きたダニエル・ボンドを送ってくれた。

引退していたボンドに変わる007がアフリカ系の女性というのは正にこの時代にふさわしい。

キューバでボンドを支援する新人エージェント、パロマが魅力的。

パロマはダニエル・クレイグが2019年に主演した映画『ナイブズ・アウト』でマルタを演じたアナ・デ・アルマス。

2人のシーンは熱かった!!

早くも次のボンド候補もチラホラ聞こえ始めた。

見事に演じきったダニエル・クレイグの未来のフィルモグラフィーも楽しみだ。



 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』 

10月1日(金)全国ロードショー 

福岡公開劇場: TOHOシネマズ 天神、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、 

T・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマ 福岡ももち、福岡中洲大洋ほか 

栗田 善太郎
栗田 善太郎

栗田 善太郎 ZENTARO KURITA

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1971年福岡市生まれ。大学時代からラジオ制作に携わる。
2015年 cross fm特別番組『HAPPY HOUSE 〜 The Family's Starting Point〜』で民間放送連盟賞 第11回日本放送文化大賞グランプリ受賞
2018年 CROSS FM特別番組『Let the Good Times Roll!!』が平成30年日本民間放送連盟賞 ラジオエンターテインメント番組部門で、最優秀賞を獲得。
現在はCROSS FM URBAN DUSK、CROSS FM MUSIC AMP、NHK TV 六本松サテライトを担当。
BIGMOUTH WEB MAGAZINE編集長
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