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ホラー・サスペンスの名匠ジョーダン・ピール最新作『Us』

ホラー・サスペンスの名匠ジョーダン・ピール最新作『Us』

(c)Universal Pictures

名匠と書いたが、監督作品としては『ゲット・アウト』(17)に続く2作目が今作である。

監督・脚本・制作を務めた『ゲット・アウト』でアカデミー賞・作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞にノミネートされ、アフリカ系アメリカ人初の脚本賞を受賞した。

ホラー映画と言われれば好んで観る方ではないのだが、サスペンス要素が加われば観てしまう、、

なによりそのような感覚を覚えたのは『ゲット・アウト』のお陰だ。

それほどに面白く、見事な映画が『ゲット・アウト』だった。

ので、、観ていない方は先ずは絶対に見て欲しい!!

所謂観てしまえば、このオチを誰かに伝えたくなる!という点では昨年の大ヒット『カメラを止めるな』と同じ。

しかし、ジョーダン・ピールはそこに見事な社会風刺を織り込む。

織り込むという言葉では足りず、、そのメッセージを伝える手法としてホラー・サスペンスを使っているのだろう。


さて、1作目にして素晴らしい評価を得たこのジョーダン・ピールが次に何を取るのか??

誰もが期待する中、『アス』は今年3月に封切られるや、全米初登場1位、オリジナル・ホラー作品のオープニングでは

『クワイエット・プレイス』(18)を抜き、更にR指定作品のオープニングとしては『テッド』(12)を越えてそれぞれ歴代1位を更新した。

アメリカの映画レビューサイトでは94%大絶賛で『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)を超えて2019年公開作品ランキングでも1位を記録と、大好評だったのだ。

ホラーとしては自分とそっくりな他人に会ってしまうという究極の恐怖体験が描かれている今作。

人間の持つ近親憎悪だったり、キャラ被りが許せない感覚を見事に突いている。

風刺としては、前作が黒人と白人を描いたが、今作は上と下、所謂格差を描いているようにも思える。

隣人や隣国との関係をも含まれているのだろう。


しかし、今作『アス』の全編にある笑いと洒落た映像センスは本当に見事だ。

そして他には無い圧倒的なオリジナリティ。

兎に角面白く、素晴らしい作品である事は間違いが無い。

故に監督としてはまだ2作なのだが名匠と呼ぶにふさわしいと私は思う。

早く今作を観た友達と酒を飲みたい。

付け加えるならば夏に観るべき作品でもある。



©2018 UNIVERSAL STUDIOS


Story 

アデレードは夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンと共に夏休みを過ごす為、幼少期に住んでいた、カリフ ォルニア州サンタクルーズの家を訪れる。早速友人達と一緒にビーチに行くが、不気味な偶然に見舞われた事で、過去の原因不明で未解決なトラウマがフラッシュバックする。やがて、家族の身に恐ろしい事が起こるという妄想を強めていくアデレード。その夜、家の前に自分達とそっくりな“わたしたち”がやってくる・・・。


監督:ジョーダン・ピール(『ゲット・アウト』)

製作:ジェイソン・ブラム(『ゲット・アウト』『スプリット』) 

出演:ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デューク、エリザベス・モス、ティム・ハイデッカーほか

公式HP

9月6日(金)UCキャナルシティ13、T・ジョイ博多、シネプレックス小倉にて公開

栗田 善太郎
栗田 善太郎

栗田 善太郎 ZENTARO KURITA

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1971年福岡市生まれ。大学時代からラジオ制作に携わる。
2015年 cross fm特別番組『HAPPY HOUSE 〜 The Family's Starting Point〜』で民間放送連盟賞 第11回日本放送文化大賞グランプリ受賞
2018年 CROSS FM特別番組『Let the Good Times Roll!!』が平成30年日本民間放送連盟賞 ラジオエンターテインメント番組部門で、最優秀賞を獲得。
現在はCROSS FM URBAN DUSK、CROSS FM MUSIC AMP、KBC MUTE RADIOを担当。
BIGMOUTH WEB MAGAZINE編集長
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