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土曜日の夜に 第15回 Text by Masami Takashima

土曜日の夜に 第15回 Text by Masami Takashima

知れば知るほど足りない。積み重なる日々のテーマの一つ。最近は読書量が増え合間を縫って本を読んでいる。子供の頃本の虫だねとよく言われた。古書店の一角に紐で束ねてありそうな文学全集、親戚の家の書棚に眠っていたものを譲り受けかたっぱしから読んでいた10代の頃を思い出した。今、大人になった私はそれらを読むとどう感じるのだろう。時代背景も社会情勢もまったく異なる中、本質的な部分は丁寧に受け取ることができるだろし、その分たくさんの矛盾が生まれるのだろうと思う。10月は暮らしにまつわること、現在進行形で取り組む必要のあること、未来、環境、様々な角度から主観や当たり前を見つめ直しアップデートするためおもいっきり考える良い機会となった。みなさんはどのような10月を過ごしましたか? 



当コラムのタイトル「土曜日の夜に」を題材に音楽徒然を書くようになり今回で15回目(毎月読んでくださりありがとうございます)。このところ年内に予定しているレコーディングに向け少しずつ準備を重ね、潜んでいる「ことば」を追い求めている。今回のレコーディングは少しチャレンジの要素もあるので面白い経過を辿るのではないかと未知数を楽しみたいと思っている。



さて、この数日は近年のロンドンから発信された音楽を中心によく聴いている。サウス・ロンドンから次々に生まれる2021年の多様化したポストパンクに私は魅了されている。UKジャズシーン、また名門DominoからリリースのWet Legのシングル2曲もさいっこうだ。60〜70年代の音楽を聴き過ごした10代。リアルタイム90’S育ちながら洋楽ヒットチャートをあまり聴いていなかったので、80〜90年代に生まれた名盤を私はある程度大人になってから聴くことになった。分析して音楽を聴く習慣はないけれど、時代背景や歴史などちゃんと学んでいくことも忘れないようにしたいと思っている。次回のコラムでは未聴の名盤と向き合い書き綴ってみようと思う。



今月は1枚というのがどうしても選べなかったので、UK発アーティストの2021年リリース作品よりセレクトしたプレイリストを。



Masami Takashima
Masami Takashima

Masami Takashima Takashima Masami

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1996年よりバンド活動をスタート。現在はニューウェイブ・アートポップトリオ miu mau(2006年〜)シンセベース・キーボーディスト。2004年よりソロワークを始動、ピアノ、シンセなどの演奏に加え、トラックメイクも自身で手掛けている。
ソロ・バンド共に作品多数。最新作はデジタル・シングル「Parallel World」熊本出身。
https://twin-ships.com/masamitakashima/
https://twin-ships.bandcamp.com