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土曜日の夜に 第36回 Text by Masami Takashima

土曜日の夜に 第36回 Text by Masami Takashima

2023年も半分以上過ぎたけれど、7月まで映画を1本も見ていなかったということに気づいてしまって少しびっくりしてしまった。生活にすごく集中していたことと、なんだか追いついてない(体力とかいろいろ)部分の改善の必要性を思いながら、久しぶりに大きな映画館で公開からずっと見たいと思っていた話題の映画を見た。遅い時間帯だったこともありショッピングモールはゆっくりしていて、立ち並ぶ店舗の電気はほとんど消えている。終演後、頭の中の記憶を並び替えしながら歩いていると館内の静けさが作り物のようにさえ思えた。会話をするために発した自分の声が体に響き一時的に現実に戻る。帰り道もずっと映画の内容を振り返っていた。2〜3日ほどはあのシーンのあのタイミング、あの意味は…など他の映画や漫画などにも共通する自分なりのさまざまな謎解きをしていた。海を描いたシーンがすごく印象に残ったのでこんな場所が現実にあるならば行ってみたい、そう思った。



夏をモチーフにした楽曲は世界中にたくさんあるけれど(私も夏テーマすごく多いです)、夏という時間に人々の心がなぜ揺れ動くのだろう。簡単に答えがみつからないことを考えた。
そもそも簡単に世界中って括ってしまうのは少し違うし、夏の概念は場所によって異なるけれど(気温や気候が違う)、今私の住んでいる環境で迎える夏はベースの低音とかシンセベースが夏とすごく合っている。音楽の話を続けていると、さまざまな土地で鳴っている音楽をもっと知りたいと思うことがとても増えた。言語の課題はたくさんあるけど、リリックもちゃんと読みたい。音を聞きながら録音方法を考えてみたり使っている楽器を探ってみたり、ジャンルごとにあるマナーもこの10年くらいでいろいろ勉強しているけれど、まだまだ知らないことばかりだ。映画を見た時のように何日もひとつの音楽のことを考え続ける日もあり、日々の夕食を考えるみたいなとても身近なもの。日々の暮らしの中にはたくさんの会話があるけれど音楽の話というのは私にとってとても穏やかで栄養のあるものなので、そんな感じで年々生活の中の話題は音楽中心になりつつある。今月は夏に聴きたいトラックを選んだプレイリストを。電子音多めで、涼しく聴いてもらえそうなトラックを集めました。
酷暑の日々どうか無理なくお過ごしください




Masami Takashima
Masami Takashima

Masami Takashima Takashima Masami

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1996年よりバンド活動をスタート。現在はニューウェイブ・アートポップトリオ miu mau(2006年〜)シンセベース・キーボーディスト。2004年よりソロワークを始動、ピアノ、シンセなどの演奏に加え、トラックメイクも自身で手掛けている。
ソロ・バンド共に作品多数。最新作はデジタル・シングル「Parallel World」熊本出身。
https://twin-ships.com/masamitakashima/
https://twin-ships.bandcamp.com