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「ロックンロールハート(スティル・ゴーズオン)」Vol.1

「ロックンロールハート(スティル・ゴーズオン)」Vol.1

こんにちは、百々和宏と申します。


1997年に福岡で結成したMO’SOME TONEBENDERというバンドでかれこれ22年、そして現在あの陣内孝則センパイ率いるTH eROCKERSにもギターで参加している、福岡市南区皿山出身のミュージシャン46歳です。


この度クリゼン先輩より「ウェブマガジン開設したんでなんか書いて」とオファー頂きまして、折角なので私の音楽遍歴を、当時の福岡の音楽シーンなど絡めつつ回想してみようかと思います。


第1回はNew York Dollsの「Personality Crisis」という曲にまつわるお話。


この曲、私が初めて組んだバンドで最初にコピーした曲なのです。

時は昭和から平成に年号が変わるまさにあの頃(随分古い話です)、高校1年の3学期にロックンバンドを結成しました。


正確にいうとそれ以前、高校入学直後に同級生の中田くんに誘われ彼のバンドにベーシストとして参加し、ライブも3回くらいやったんですが、そのバンドてのがヘヴィーメタル、それもジャパメタ専門のバンドでして。

実は私のロックのファーストインパクトはヘヴィメタだったりするんですが、それも中学生までの話で。


百々少年は途中で気づいたんですね、「やっぱメタルはダサい」と。


そこでそのバンド(「ACTIVE」という名前だったかな)を早々に脱退し、自分がリーダーでギタリストのバンドを結成するワケです。

新しいバンドの名前は「Cheap & Nasty」。英語の辞書とにらめっこして見つけました。“安かろう、悪かろう”という意味ですと。

「品のない俺らにピッタリぜ!」とかなんとか、イキがってただ青臭いガキンチョでした。

ちなみに、Hanoi Rocksのナスティースーサイドというギタリストがハノイ解散後に結成したバンドもCheap & Nastyという名前だったんですが、私らの方が数年早かったです。だから何だよって話ですが。


Cheap & Nastyのボーカル、タケの家に集まってミーティングの際、タケが「これバンドでやりたいんやけど」とおもむろにレコードをかけた。

ダーティーなファズサウンドのギターリフ、ボーカルのテンション過剰なシャウト、ドラムはドカドカ、ベースはブンブン。New York Dollsの1stアルバム1曲目「Personality Crisis」です。

私は瞬時にこう思いました。


「ヘタい! セックスピストルズくらいヘタい!」


当時の私の耳ではNYドールズとセックスピストルズの違いが判別できなかったんですが、そもそもの話、NYドールズ後期にマネージャーを買って出たマルコムマクラーレンという男が、ドールズ解散後にイギリスの彼の洋服店にたむろするチンピラを集めて結成させた“NYドールズくらい猥雑なバンド”がピストルズなんですね。私の反応もあながち間違いではなかったワケです。

曲が終わるまでに私は確信を持ちました。


「コレなら簡単そうやからバンドで演奏できる! ギター練習せんでも弾ける!」


そしてアルバムのジャケを手に取ってみれば、オカマみたいな5人の男がソファーに並んで座ってて、その佇まいがシビれる程イカす。


「よっしゃ、これ耳コピしてからスタジオ入ろーや」


NYドールズのリードギターはジョニーサンダース。彼のギターの弾きっぷりがもう、抜群にカッコイイ。

使うコードは3つ4つで、ギターソロなんかほぼダブルチョーキングのみで、コードチェンジする際に大仰なスライドノイズねじ込んで、首を横に振りまくればジョニサンの一丁あがり。


NYドールズがライブ演奏してるブートレッグのビデオを購入して、もうそればっかり観てアクションの真似をしました。

若気の至りといいますか、ギターの練習なんか大嫌いだった私はドールズと出会うことにより、上手い言い訳を見つけてしまったのです。

「ギターなんかギャンギャン弾いときゃ、ヘタクソでもカッコ良けりゃそれでいい」と。


そんなこんなの成れの果て。“三つ子の魂百まで”とはよく言ったもんで、今でも私のギターはヘタクソなままです。

ま、そんな自分も嫌いじゃなかったりして。「オレ、カッコイイ」と自己暗示をかけながらギター弾き続けています。

たかがロックですからね、そう思い込んじゃうよな勢いって大切だと思うんです。(されどロック、とか言わないで)


そういえば、現在ギタリストとして参加しているTH eROCKERSも結成当初はNYドールズをお手本としていたそうです。

どうりで、アルバムの曲を聴くとそこかしこに匂いを感じます。(パクリと言ってはいけません。オマージュです)

ボーカルの陣内さんは私が卒業した西南学院高校の大先輩だったりもするし、不思議な縁を感じます。


そんなTH eROCKERSはこの4月に38年ぶりのニューアルバムをリリースし、現在ツアー敢行中。ツアーファイナルとして5/17(金)福岡イムズホール、7/22(月)には渋谷クアトロにて東京追加公演やります。

ライブ会場でお会いしましょう。

TH eROCKERS詳細







百々 和宏
百々 和宏

百々 和宏 KAZUHIRO MOMO

twitter

1972年福岡市生まれ
’97年福岡で結成した真正ロックバンドMO’SOME TONEBENDERのG/Vo。普段は安酒場をローリングする泥酔イスト。酒場紀行文を集めた「泥酔ジャーナル」の著者としてもカルトな人気を誇る。

2012年からソロ活動を開始。3枚のソロアルバムをリリースし、同時にyukihiro(Dr / L’Arc-en-Ciel)、345(Vo, B / 凛として時雨)との新たなバンドgeek sleep sheepを結成。
2018年末からThe eROCKERSにGt.で加入。http://momokazuhiro.com