Bigmouth WEB MAGAZINE

音楽MUSIC

ロックン・ローヤーの音楽なんでもコラム Vol.3

ロックン・ローヤーの音楽なんでもコラム Vol.3

ジャズの名門レーベルとインドのミュージシャンの意外な一面

なんと言っても、ブルー・ノートという会社がジャズ界では、一番の名門レーベル。日本では、高級ジャズ・クラブのイメージが強いですが、これは、もともと、黒人音楽の用語で、どうやら、あるところが半音ほどズレて、哀しげな響きを持った音階のことらしいです。それをアルフレッド・ライオンというドイツ系移民がニューヨークに作ったレーベルの名前に冠して世界に広まったのですから、不思議な経過。

それで、ブルー・ノートでいちばん売れたアルバムって何だろう?と。レーベルの歴史は1930年代まで遡るのですが、実は、一番のセールスを記録したのは、21世紀になってからのアルバムだったりするのがまた不思議なわけで。なんとノラ・ジョーンズ。というのは、ジャズの名門レーベルの意外な一面かもしれません。

今となってはなぜだか分からないのですが、この人のデビューは、ブルー・ノートだったのです。デビュー当時は「ラヴィ・シャンカールの娘」なんてささやかに宣伝されていましたけれど、そのラヴィ・シャンカールってだれ?という反応も珍しくなかった。

シャンカールも数年前に亡くなって、もう記憶の彼方かもしれないですが、ビートルズ、というか、ジョン・レノンや、ジョージ・ハリスンにシタールを教えた、インドのミュージシャンです。

シャンカールがいたからこそ、ビートルズがサイケに走って、「ノルウェイの森」という曲が生まれたわけだし、ひょっとすると、僕の心の師匠である村上春樹氏の「ノルウェイの森」という小説も生まれた、のかもしれないわけです。インドでシタールというと、宗教音楽のようなイメージがあって、ラヴィ・シャンカールも、聖人君子のようなイメージなのですが、見ての通り、ノラ・ジョーンズとは、姓が違います。また、別のシタール奏者として、アヌーシュカ・シャンカールというラヴィの娘がもう一人いるわけですが、ちょっと調べてみた限りでは、この二人の娘とラヴィの関係というのは、非常にややこしい。日本の民法ではほとんど使わない、婚姻準正あたりの規定を使って、アヌーシュカが嫡出子になったんだろうな、ということだけは何とか、弁護士のアタマを使えば理解できる程度なのです。婚姻準正というのは、婚姻外からの父母に生まれたこどもについて、父母が後から婚姻することによって、嫡出子になるもいう規定ですが、ほとんど適用されているのを見たことがありません。婚姻準正だけでもほとんど使われないくらいにややこしいのに、ノラの方が二歳上というだけでそれほど年齢差がないということからも、さらにややこしい事情が窺われます。聖人君子のようなイメージのあるラヴィ・シャンカールには意外な一面だったりします。

とりあえず、当時すでに60歳を超えていたと思われる、ラヴィ・シャンカールが二人の女性との間に2人の娘をもうけたというのは、意外でもなんでもなくて、実はインドの秘法か何かなのかな。とりあえず、娘さんふたりが活躍してくれていることは、音楽ファンには嬉しい限りである。なお。ノラとアヌーシュカの二歳違いの異母姉妹は共演してアルバムも作っていて、仲が良さそうなのもうれしい。








法坂一広作品をAmazonで

法坂 一広
法坂 一広

法坂 一広 IKKOU HOUSAKA

twitter

法坂一広
1973年福岡市出身
2000年弁護士登録(登録名は「保坂晃一」)
2011年「このミステリーがすごい!」大賞受賞2012年作家デビュー
著書に弁護士探偵物語シリーズ・ダーティ・ワーク 弁護士監察室
ブログhttps://ameblo.jp/bengoshi-kh