音楽MUSIC
土曜日の夜に 第5回 Wendy Eisenberg『Auto』/ V.A.『MITOHOS:A GUIDE TO JAPANESE GALAPAGOSIZED MUSIC』Text by Masami Takashima
2021年が始まり幾日。お正月休みの間、いつもより多めのインプットの時間を過ごした。読みかけの本を読み進めたり、いくつかの映画を見たり。少し前に劇場で見た「メイキング・オブ・モータウン」(映画の詳細はこちらhttps://bigmouth.co.jp/culture/707.html) は時代背景なども描かれたとても良い映画だったので、映画の中で大好きなレジェンドたちが歌う名曲を改めて聴くのも良い時間だった。その流れで60年代70年代に発売された他のレコードにも針を落とすという楽しい寄り道を繰り返した。私自身は日常的にテレビを見るという習慣がないのだが、紅白歌合戦だけは今年も最後まで鑑賞した。サブスクでまとめられた2020年のトップ100なども聴いてみたりしつつ。ふと、勧められていたWendy Eisenbergのアルバム「Auto」を聴き始めたらすっかり魅了されてしまった。Wendy EisenbergはボストンのSSW /ギタリスト/ バンジョー奏者。スケールやリフが随所に散りばめられたフリージャズや、インディーフォークをベースにした楽曲は、即興で培われただろう展開の見えない演奏力はさることながら、まっすぐな声がとても魅力的。いくつかyoutubeで見つけたライブの映像も素晴らしく、ミュージシャンの目線でも釘付けになる。未だ辿りつかなかった新しい響きを奏でる音楽(家)と出会える瞬間はいつだってとても眩しい時間だ。
私事ながら、12月にロサンゼルスの新進気鋭のレーベルDEAF TOUCHよりリリースされた「MITOHOS:A GUIDE TO JAPANESE GALAPAGOSIZED MUSIC」に、私の所属するmiu mauも参加させていただいた。このコンピはLOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTSが「日本全国の未踏峰音楽」をテーマにコンパイルしたもので、全部で18組、九州からは熊本のDoit Science、福岡のtepPohseenと、私たちmiu mauが参加している。miu mauにとっては久しぶりの新曲で3人がそれぞれに自宅などで録音し完全リモートで制作した。今しか作れない音楽(音)を残せたと思う。このコンピを聴いていると、私はどこかのライブハウスに行ったかのような気分で楽しめた。ぜひみなさまにも聴いていただけたらなぁ。2021、本年もよろしくお願いします。
コンピの詳細やインタビューなど
1996年よりバンド活動をスタート。現在はニューウェイブ・アートポップトリオ miu mau(2006年〜)シンセベース・キーボーディスト。2004年よりソロワークを始動、ピアノ、シンセなどの演奏に加え、トラックメイクも自身で手掛けている。
ソロ・バンド共に作品多数。最新作はデジタル・シングル「Parallel World」熊本出身。
https://twin-ships.com/masamitakashima/
https://twin-ships.bandcamp.com
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