酒場SAKABA
ロケハンしときましたー! Vol.8
巷のヴァイブス溢れる酒場や食堂を、皆さんに代わってわたくしナカムライダーが勝手にロケハン(下見)してきました!
遠かったり用事なかったりで行く機会ないかもですけど、もしもの場合はぜひ参考にしてください。
見た目だけ整えたようなフニャちん酒場はスルーします。
8軒目 「食安」東京・有楽町
今回のロケハン先は飲食店ではありません。
しかしながら、お酒と場所を提供しているという意味においては立派に酒場と言えるでしょう。
他に類を見ない東京有楽町の名物スポット「食安」です。
「しょくあん」と読みます。
ガード下のうす汚い自動販売機コーナーに、ただ人が集まって酒を飲んでいるように見えるかと思いますが、その通りです。
店内の自販機でビール・チューハイ・日本酒など自分の好きな酒を買い、ただそこで飲む。
自販機の間の奥の薄暗いスペースにおばちゃんがいるタイミングもあって、その時は缶詰とかさきいかとかのツマミも買えます。
店の前はふつうに道路ですので、当然車も通ります。
危険です。
しかしながら車の方も一応分かってて、クラクションを鳴らしたりせず、みんながよけてくれるのを待って通行します。
有楽町には「立ち缶」という独自のサラリーマンカルチャーがあります。
仕事終わりや飲んだ帰りに皆それぞれが好きな酒を買って来て、駅の周りで立って飲みながら会話を楽しむ。
予約もいらないし、お金も大してかからない。
仲間が増えても席の移動は無いし、グループ同士が合体して大人数になっても大丈夫、だってただ立ってるだけだから。
その「立ち缶」カルチャーの草分けとなったのが、この食安の存在です。
みなさんお酒を飲みながらもさすがは有楽町、品が保たれてます。
日本を代表するような大手企業に勤めているみなさんでしょうから、こんな光景なのに場の秩序を感じます。
誰も揉めたり大声出したりせず、会社の話・仕事の話・家庭の話など、先輩に相談したり同僚で笑いあったりしながら楽しく立ち飲みです。
神田や新橋のガード下が、軒並み耐震工事の影響を受けて閉業や休店に追い込まれる中、ここ有楽町にはまだ以前からの風景が比較的残ってます。
ここみたいに、仕事帰りにちょっと寄って缶チューハイを仲間とキュッと飲んで、じゃあまた明日、みたいな気軽に寄れる場所は本当に貴重だと思います。
子供の頃に例えるなら、学校のそばにある駄菓子屋みたいな存在なのでは。
ユネスコが世界遺産を認定するように、僕はここ食安にも顕著な普遍的価値が見出せると思いますので、ナカスコの酒場遺産に認定です。
おめでとうございます。
食安(しょくあん)
住 所:東京都 千代田区 有楽町2-4-3
最寄駅:有楽町駅・日比谷駅
営業時間:年中無休24時間