酒場SAKABA
ロケハンしときましたー! Vol.10
巷のヴァイブス溢れる酒場を、皆さんに代わってわたくしナカムライダーが勝手にロケハンしてきました!
遠かったり用事なかったりで行く機会ないかもですけど、もしもの場合はぜひ参考にしてください。
見た目だけ整えたようなフニャちん酒場はスルーします。
10軒目 「大衆酒場カネス」東京・一之江
右の赤いのれんには「中華そば」、左の黒いのれんには「大衆酒場」の文字が染め抜かれた激アツの佇まい。
昭和7年創業の大衆酒場界のロッソネロ、一之江の「カネス」をロケハンしてまいりました。
のれんは掛かってるものの、中を覗いてもお客さんはおろか店員さんすら見当たらない。
入り口の引き戸を引けば、その音で誰か出てくるだろうということで、勇気を出して戸を引く。
ガラガラガラ。
反応がない。
まぁとりあえず座るか、と使い込まれてる感じのコの字カウンターに座る。
イスは木製の長椅子。
店内には電灯すらついてない。
引き戸のガラス越しに見えるのれんが、ふらふらと風に揺れてる。
なんか、いい眺め(笑)。
すると大将らしきお父さんが奥の厨房に現れたので、とりあえず焼酎ハイボールをお願いする。
当然BGMなどかかってないので、店内は静まり返ってる。
妙な緊張感。。
メニューは意外といろいろあるみたい。
煮込みが美味しいと聞いていたので食べるつもりだけど、上の写真のカウンターの中に鎮座してる大鍋が煮込みの鍋。
2016年に96歳でお亡くなりになった大女将が、いつもこの席に座って常連さんとお話しされていたそうです。
あぁ、もっと早くに来れば良かった。
お会いしたかったです、大女将。
すると現在の女将さんが、煮込みを運んできてくれた。
「うちの煮込みは馬のモツと牛のフワだけなんですよ~」と朗らかに話しかけてくれたので、緊張がほぐれた。
調べてみたら、フワってのは肺のことらしい。
ふわふわしてるからかな?
味が沁みてて美味しい。
「うちは初めてですよね?」と女将さんがやさしく話しかけてくれたので、ちょっと色々聞いてみた。
昭和7年に元々は駄菓子屋を始めたそうで、そのうち配給のお酒を扱うようになり、飲食店になっていったそう。
厨房の無口な大将が大女将の息子さんで、女将さんの旦那さんだそう。
コの字カウンター越しの店内の様子はこんな感じ。
ペパーミントグリーンの壁色がかわいい。
なんか昔の小学校とか公民館って、こんな色使いじゃなかったっけ?
テレビの横の壁に掛けられた古い写真についても色々教えてくれました。
昔、東京オリンピックが行われた頃はまだ左の写真のように茅葺き屋根の家で店をやってたそうで、
「その頃ってまだこの辺にも結構茅葺き屋根残ってたんですか?」って聞いたら、
「いやいや、ここ一軒だけ残ってたんですって(笑)」だって。
右の写真は、店の前の街道を走ってたトロリーバス。
その頃のこの辺りはすごい賑わってたそうです。
後から入ってきた常連さんが食べてたイカスミ入りのさきいかも頼んでみた。
お、なんか美味しい。
あまり食べたことない感じの風味。
北海道じゃ普通に売ってるらしいから、今度機会あれば買ってみよう。
はじめちょっと緊張したけど、女将さん話しやすくって居心地良かった。
何より店内のあの佇まい・空気感、最高。
今度はもっと色々食べてみよう。
あ、中華そば食べるの忘れた...、がーーん。。
大衆酒場カネス
住 所:東京都江戸川区一之江6-19-6
最寄駅:都営新宿線 一之江駅
定休日:水曜日、第三火曜日