Bigmouth WEB MAGAZINE

酒場SAKABA

ラーメン記者の謹製 快麺伝 Vol.1

ラーメン記者の謹製 快麺伝 Vol.1

麺を掲げたタイトルから逸脱して、いきなりご飯の話からする。

あれはハタチ前後の頃だったと思う。焼肉かなにかを食べてる時に「おかずとご飯を一緒に食べるとうまいんだよ」と友人が教えてくれた。その時ぼくはご飯を注文してなかったから、その友人のをもらって、おそらく肉を食べ、そのあとでご飯を食べた。たしかにうまかった。ご飯嫌いが克服された瞬間だった。

前置きが長くなったが、何を言いたいかというと、それまで麺ばかり食べていたということ。しかも人間の習慣は簡単には変わらない。やはり、その後も、麺中心の生活はそのままだった。
で、このコーナー。何を書こうかと考えたとき、やっぱり麺かなと思った。スマホに保存しているここ1カ月くらいの写真を見返してみた。

すみません。写真を見て一番輝いていたのがこれでした。いきなり東京の、しかも麺でもない酒場。門前仲町にある「魚三」です。
この店、歴史、建物、味、値段、客や店員の雰囲気、どれをとっても最高なのです。この時は4人で行ったので刺し盛りを注文、このボリューム感、大根のはみ出し感だけで熱燗いけます。
でもこの店の真骨頂はできれば1人、もしくは2人で行ってカウンターで飲むこと。コの字カウンターに酒呑みばかりがギュウギュウに肩を寄せ合って(ぼくは)熱燗をなめてはすする。刺し身と煮魚、焼魚とかをつまみつつ、酒も5杯目くらいになったらいい感じ。それで会計2000円いくかいかないくらいだから驚く。
東京は総じて大衆酒場のレベルが高い。その中でも大好きな魚三。福岡にはないタイプゆえ、上京すると必ず寄ってしまう名店なのです。


次は3月10日の写真だ。なぜわかるかといえば、星野源のヤフオクドームコンサートがあった日だから。ライブがよかったのは勿論、石橋英子とかSTUTSとか素晴らしきバックバンド、それがドームでやってるのも凄いと思いつつ聞いていた。「多分『馬上荘』が空港のフードコートにあるみたいな感じかなぁ」なんて考えていたのか、後付けでそう思ったのか、ライブ終わりには西新へ足が向いていた。
そこからの馬上荘。瓶ビール頼んでレバテキ食べつつ待つ。餃子登場のあとは日本酒に切り替えて、というのが黄金コース。注文を受けてから包む小ぶりな餃子のもちもち感が相変わらずたまらない。
ここまで書き連ねて、気付いたが、まだ麺が出てきていない…いかん。そういえば、馬上荘の後、ラーメンで〆たくなって「味一」に行ったけど、日曜で定休日だったんだ。さらに、近くの大好きな店「長浜ラーメンじろう。」をネットで調べるとこれまた営業終了していたんだ。
上記2店、オススメなのでぜひ行かれてください。

ラーメン記者、九州をすする!小川祥平著

小川 祥平
小川 祥平

小川 祥平 SHOHEY OGAWA

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1977年生まれ。ラーメン、うどん、カレー、酒場が好物。著書に「ラーメン記者、九州をすする!」。フリーペーパー「ぐらんざ」で「福岡麺人生」を連載中。KBCラジオ「小林徹夫のアサデス。ラジオ」内コーナーで月1回ラーメンを語る。