山口洋(HEATWAVE) |博多今昔のブルース Vol.14〜奇人変人列伝
60年代の福岡市東部。
ステテコをはいて、街角で将棋に興じるおっさんたちがフツーにいた。
なんだか毎日楽しそうで、大人になるのって悪くないなと感じさせてくれた。
彼らの生業は何だったんだろう?そもそもなぜ、街角だったんだろう?秋になるとおっさんたちは七輪で秋刀魚を焼く。実に美味そうだった。正月に餅を焼いたのを見たことがないのは単純に寒かったからだろう。
ケルアックみたいに格好良くないけど、これがオレのリアルな「On the road」の原風景。
千鳥橋のあたりには川につっかい棒を立てて住んでる人たちがたくさん居た。それを普通だと思って育ってしまえば、異常なことでもなんでもなかった。
ノスタルジーじゃなくて、いろんな人がいて、総じてビンボーで、同調圧力なんてたぶんなかったし、グローバル化なんて、影も形もなかった。
いったい何を得て、何を失ったのか。
蜜と旅。コロナ対策の天敵のような暮らしを送ってきたオレは、世界中でとんでもなくおかしな人間たちに出会ってきた。とりあえずは近いうちに「日本奇人変人列伝(仮題)」って本を書きたいと思ってる。北から南まで、筆舌に尽くしがたい人間たちを紹介してみたい。
ぶっとんでて、はみ出してて、ユニークで、ワン・アンド・オンリー。そんな人間の数が減るほど、世界はつまらなくなる。
風船おじさんって、今ごろどこを飛んでるんだろうね?そんな浮世離れしたドリームを語れる存在がコロナの世界には必要だと痛切に思う。
アーメン。
ヴォーカリスト、ギタリスト、ソングライター、プロデューサー、そしてランナーにして、スノーボーダー。
1979年、福岡にてヒートウェイヴを結成。1990年、上京しメジャーデビュー。現メンバーは山口洋(vo.g)、池畑潤二(ds)、細海魚(key)。山口洋がソロツアーの旅で新たな曲をつくってバンドに持ち帰るというスタイルで、ほぼ全曲の作詞と作曲を担当する。1995年の阪神・淡路大震災後、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)と「満月の夕」を共作。2011年の東日本大震災直後からは「MY LIFE IS MY MESSAGE」プロジェクトのさまざまな活動により、福島県の相馬をピンポイントで応援し続けている。仲井戸麗市、佐野元春、遠藤ミチロウ、矢井田瞳ら国内のミュージシャン、ドーナル・ラニー、キーラらアイルランドを代表するミュージシャンとの共演も多い。
http://no-regrets.jp