ロケハンしときましたー! Vol.19「三喜屋酒店」 福岡市博多区
巷のヴァイブス溢れる酒場を、皆さんに代わってわたくしナカムライダーが勝手にロケハンしてきました!
遠かったり用事なかったりで行く機会ないかもですけど、もしもの場合はぜひ参考にしてください。
見た目だけ整えたようなフニャちん酒場はスルーします。
遠かったり用事なかったりで行く機会ないかもですけど、もしもの場合はぜひ参考にしてください。
見た目だけ整えたようなフニャちん酒場はスルーします。
19軒目 「三喜屋酒店」 福岡市博多区
こんにちは、ちょっとご無沙汰してます。
まだまだコロナ禍真っ最中の昨今、飲みにも行けないし行きにくいし、仕事ではコロナの状況に振り回されて色々大変だし、ちょっとなかなかロケハンしにくい状況が続いてますが、そんな中今年3月末日、非常に寂しい事がありました。
博多駅筑紫口から徒歩3分、ボクらのミキハウスこと「三喜屋酒店(ミキヤサケテン)」が55年の歴史に幕を降ろされました。。
博多駅筑紫口から徒歩3分、ボクらのミキハウスこと「三喜屋酒店(ミキヤサケテン)」が55年の歴史に幕を降ろされました。。
博多の名角打ちとして有名ですので、ご存知の方も多いと思います。
仕方のないことなんですが、残念です。
ですので今回は、すでに閉店されてしまったお店の紹介となりますが、どうぞお付き合いください。
↑この写真はたぶん5年ぐらい前のものですが、こんな感じに肩を寄せ合ってワイワイ飲む感じの本当に雰囲気のいい角打ちでした。
「角打ち」っていうと、ほぼ毎日来てんじゃねーの?って感じの謎の黒帯のじいさんがいて、その存在に気を使いつつ他の諸先輩からの槍のような視線をグサグサに浴びながら飲むような、なんか妙な緊張感が漂ってるイメージありますが、こちらミキハウスは全くそんなことはなく初対面からみんな友達。
こちらから話しかけてもないのに、アレが美味いとかどこから来たのかとかコレ飲んでみろとか、そういうフレンドリーなコミュニケーションの渦に否応なしに飲み込まれるような、そんな稀有な存在の角打ちでした。
ちなみにミキハウスってのは三喜屋酒店の愛称というかニックネームというか、親しみを込めてそう呼ぶ人が結構いらっしゃいます。
↑この写真は去年2020年の10月、僕が最後に行った時のものです。
このあと11月にご主人が病気で倒れられて、閉店を余儀なくされたとのこと。
コロナの影響で以前ほどの混雑はありませんでしたが、それでも常連さん達でワイワイと盛り上がっていました。
周りのお客さんがみんな仕事帰りのスーツ姿の中、僕だけラフな格好なので、
周りのお客さんがみんな仕事帰りのスーツ姿の中、僕だけラフな格好なので、
「キミはなんだ?画家か?美容師か?ニートか?」
みたいな、先輩方から突然の得体の知れない見た目イジリの洗礼を受けつつも、それに負けじと、
「はい、まだニートって言葉がない頃からのベテランニートです」
とかテキトーにリアクションしながら飲み進めるっていうのが、本当楽しかったんです。
すぐ仲良くフレンドリーに話せるんです。
面白くなくっていいんです。
返せるか返せないかの勝負なんです。笑
お店に入ると、店の壁には焼酎や日本酒がズラララーっと並んでます。
ここから飲みたいお酒を一杯ずつ選んでもいいですし、一升瓶をキープすることもできます。
場所は博多駅筑紫口のオフィス街ですので、お客さんはほぼ近隣のサラリーマンの皆さんです。
会社帰りに職場の何人かでここに寄って、キープしてるお酒を飲んでサッと帰って晩ごはんはお家で食べる、みたいな飲み方のお客さんが結構いらっしゃいます。
キープの瓶はカウンターの中に置いてありまして、瓶には個人名や会社名が大きく貼ってあります。
中に一升瓶の首に巾着袋が吊り下げられてるものがあるのがわかりますか?
職場の何人かでお店に来て、割り勘でお会計した際に出たお釣りをこの巾着袋に入れておいて、次のキープの時の資金にするっていう仕組みだそうです。
つまり貯金箱というか貯金袋。
オフィス街の角打ちらしい、なかなかいいアイデアですよね。
ビールや缶チューハイ、ソフトドリンク類は冷蔵庫に入ってますので、セルフでどうぞ。
飲み終わった缶は捨てないでくださいね。
お帰りの際は、その空き缶を見てお会計しますので。
いわゆる回転寿司スタイルです。
いや、回転寿司よりこっちの方がきっと先輩やないか!
つまみもいろいろありまして、当然お酒屋さんですので乾きもの類は沢山あるんですが、ちょっとした一品ものもあります。
まずは定番スパサラ。
スパサラって、なんであんなに食べたくなるんでしょうね。笑
あると食べたいですよね。
ほぼスパで、サラの部分は全体の1〜2割程度しかないというのに、野菜を摂取できるという免罪符のせいでばくばく食べちゃう。
ほぼ炭水化物なのに。
おにぎりに例えると、野沢菜のおにぎりぐらいの野菜と炭水化物の比率なのでは?
三喜屋酒店で人気のアテがこちらの銀ダラみりん。
カウンターの奥に行くといくつか皿が並んでて、その中から好きなものを選ぶんですが、銀ダラみりんはオーダー後に焼いてくれますので焼きたてですごく香ばしいんです。
この銀ダラを一口食べて焼酎でクイッと流し込むと、その香りが鼻からフッと抜けて行ってたまらないです。
この銀ダラを一口食べて焼酎でクイッと流し込むと、その香りが鼻からフッと抜けて行ってたまらないです。
天ぷらも人気です。
こちらは切って爪楊枝を刺すだけなので、すぐ出てきます。
角打ちのアテといえば、乾きものかこういう練り物の天ぷらが定番だと思いますが、東京の方でこういう角打ち的なお店を巡ってると魚肉ソーセージやかまぼこには出くわすんですが、天ぷらってなんかあまり見ない気がします。
地域性があるんですかねぇ。
というか根本的にこれを「天ぷら」って呼ばない可能性もありますよね。
というか根本的にこれを「天ぷら」って呼ばない可能性もありますよね。
天ぷらっていうのは、エビとかキスとかの割烹の天麩羅のことで、こういう練り物は丸天とかさつま揚げと呼ぶ、とか。。
いや、まぁ結局知らないんですけど。笑
カウンターはこんな感じのUの字型で、もうひとつこの右に長い直線の I の字カウンターがあります。
つまり 「UI」 カウンターです。
すなわち「UI = 友愛 = フレンドリー」です(こじつけ)。
こんなフレンドリーで楽しく安く飲めるお店は他にありません。
今後も多分現れないでしょう。。
博多駅筑紫口からミキハウスがなくなったこの先、先輩方どこに行くんでしょう。
コロナ禍のリモートワークで、最近はあまり出社してないのかもですよね。
世の中が普通に戻って、以前のように皆出社するようになって、その時にミキハウスのない博多駅筑紫口をどう感じるんだろう。
長年の付き合いになる友人がいなくなったような、そんな寂しさなんでしょうか。
ご主人、そして従業員の皆さん、55年もの長い間本当にお疲れ様でした。
ありがとうございました。
最後にふと気になって、有名な方の子供服の「ミキハウス」をちょっと調べてみました。
今年は50周年の記念イヤーだそうです。
筑紫口のミキハウスの方が先輩やないか!
三喜屋酒店 (2021年3月閉店)
住 所:福岡市博多区博多駅東1-13-22
最寄駅:JR・地下鉄 博多駅