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酒場SAKABA

コムギロードトリップ Vol.3

コムギロードトリップ Vol.3

うどん・ラーメンに代表される小麦粉もんのお店を紹介するCOLUMN『コムギロードトリップ』


第3回目は『ふくちゃんラーメン』


前回子供時代にそんなに頻繁にラーメンやうどん店に行った記憶はないと書きました。

そんな子供時代に父と2人で行ったのが当時百道にあったこの『ふくちゃんラーメン』でした。

現在は早良区田隈にある本店だが、所謂天神からは遠いイメージ。

車でないと中々行きにくいのだが、そこは勿論博多ラーメンの名店。

毎日大盛況で田隈まで行ったのに諦めて変えることもしばしば(田隈にお住まいの方すみませんw)


この、博多という名詞が面倒くさいというか、、県外の方にはわかりにくいと思うのです。

博多は福岡とは別なのだ!!!というそれである。

福岡県福岡市に含まれる、博多と福岡。博多区と中央区や東区などと区分けがされているから??

そうでもない、、博多部と福岡部という分け方である。そもそも分断に意味を持たせる必要はないのかも知れないが、私のように福岡部出身の人間は山笠などは舁けるわけなど無く、博多部である中洲で商売していた親戚でも長崎出身だったので厳しいという時代が長かったのです。なので山笠は観るものだという感覚。そして那珂川を挟んで東の博多は商人、西の福岡は武士という区分が生き続け、福岡市なる名前になるか博多市になるかで明治に投票が行われた結果だということ。


そして長浜ラーメンと博多ラーメンも違うということ、、

長浜がその市場周辺で生まれたので忙しい商売人の為に麺細め、カタとかは所謂そこだけで通用していたもの。博多ラーメンは所謂福岡市のラーメン。麺も長浜とは違うし、麺の茹で加減なんて聞く店はなかった。

勿論は時代は変わりました。長浜系の『博多天神』なる東京のラーメン店があっても良かろうもん!

ただ、何も知らんで初めての店で『バリカタ』とか言うことはせん方が良かろうと思います。



とこういう話は本当に揉めますw

そもそも我家も何代も続く福岡県人でも無い訳ですから。

であればこそ、何も知らんで偉そうにしんしゃるな!って事です。はい。


で『ふくちゃんラーメン』に行こうとなったのは、

平日、午後15時前、猛暑日だった訳です。

仕事と仕事の合間に歯医者で歯石取りを済ませ、遅めの昼食です。

年々歯茎は痩せていき、隙間が目立つお年頃。

歯石が取られた、なんだか恥ずかしい丸裸の口内にニンニクを。


平日・午後15時過ぎ・猛暑日の『ふくちゃんラーメン』は

並ぶ事無く、なんとかカウンターに落ち着けました。


忙しさが落ち着いたこのタイミングはスープ入れ替え中。

私を含め30代~50代のオヤジが黙って待ち続けるしかない時間でした。

「ラーメン大」と注文すれば「麺の硬さは?」と聞かれる、、

「普通で」

このやり取りが本当に面倒くさいと思うのは「ノットカタ」派のワタシ達。

私の知り合いのノットカタ派のラーメン店主は久留米ラーメンの店なのに

麺の硬さを勝手にオーダーしてくるお客さんに嫌気が差し、店内に張り紙をするほどだ。

このラーメン店主は他店でラーメンを食べるときに聞かれると

「あなたが一番美味しいと思う茹で加減で」と答えるという。

シャバい私はまだ言った事がない。


メニューをご覧あれ~博多のラーメンの正しいさとはこの値段。

一風堂以降はニューウェーブなので、別物です。

因みに普通のラーメン600円替え玉100円というそれはラーメン大700円と同じです。

だったらどうする??という謎掛けですよね。

俺は迷いません。ラーメンなら替え玉せずチャーハンだし。もうこの組み合わせ無理だから、

ラーメン大っす。

替え玉はアトラクション要素が強いので頼みたいのでしょうが、、、

ぶっちゃけ、長浜系では危険です。そもそも麺量が博多のラーメンより多いですからね。

そして何より、、、「まずくなる」と書くとまたおこりんしゃー人が居るやろうなぁ、、

前出のラーメン店主は絶対替え玉はせん!と言います。食べ足りん時はもう1杯注文すると。

俺もそれには賛成ですが、、店によっては替え玉します。

でもスープはぬるい、、替え玉も普通ってオーダーしたのに硬めで来た時の悲劇、、

カップ麺のお湯の温度60度的な不幸を感じます。


で、うるさいよね。。それがラーメン。それぞれの美学やストーリーがあって良いし、

『ふくちゃんラーメン』のように”がんこもん”を貫いてる店なら尚更だ。


波波のスープなので受け皿やけんな。

こちらから迎えに行ったらいかんばい!


一口目は少し塩味が立って感じる。けどこれが不思議と食べ進めると消える。

慣れるのだ。

そこでチャーシュー齧れば、塩味がスープより効いてて食べ進められる。

思うにチャーシュー、チャーハンも同じラーメンダレやね。安心。


ニラに、生にんにくをマッシャーで。いつかヒリヒリする夏。




麺は長浜のそれとは違う。これこれ。この中細が嫌だから二度と行かないなんて

わざわざ食べログに残す人も居るこの時代。

変わることも変わらんことも何もかんも受け入れて、堂々と生きることを肯定してくれる、味。

それは食感ばかりがもてはやされる世の中で、熱すぎる温度にこだわり続けている生き方だ。


とにかく最後まで熱いこのラーメンが旨いのだ。

そのためにスープは波波なのだ。熱波ラーメン!!


猛暑続きの九州でこの熱いラーメンに軽く口内に火傷を感じ、ニンニクの辛さも残る帰り道。

歯石が取られた歯間に挟まるニラ。


人生やドラマに勝手に酔う五十路前だ。

知っている事は伝えておいても良い歳だ。
そうだろ?オヤジ?
『ふくちゃんラーメン』の3代目の仕事は揺るぎない。
父と2人で行った時と変わらん1杯が1番旨いのだ。

ふくちゃんラーメン 田隈本店

福岡市早良区田隈2-24-2

11:00~21:00

火曜日定休



栗田 善太郎
栗田 善太郎

栗田 善太郎 ZENTARO KURITA

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1971年福岡市生まれ。大学時代からラジオ制作に携わる。
2015年 cross fm特別番組『HAPPY HOUSE 〜 The Family's Starting Point〜』で民間放送連盟賞 第11回日本放送文化大賞グランプリ受賞
2018年 CROSS FM特別番組『Let the Good Times Roll!!』が平成30年日本民間放送連盟賞 ラジオエンターテインメント番組部門で、最優秀賞を獲得。
現在はCROSS FM URBAN DUSK、CROSS FM MUSIC AMPを担当。
BIGMOUTH WEB MAGAZINE編集長