ロケハンしときましたー! Vol.23 「下総屋食堂」東京・両国
巷のヴァイブス溢れる酒場を、皆さんに代わってわたくしナカムライダーが勝手にロケハンしてきました!
遠かったり用事なかったりで行く機会ないかもですけど、もしもの場合はぜひ参考にしてください。
見た目だけ整えたようなフニャちん酒場はスルーします。
23軒目 「下総屋食堂」 東京・両国
場所は両国。
両国国技館のすぐ脇に、ひっそりと佇む一軒の食堂があります。
住所は東京都墨田区横綱1丁目。
横綱なんて地名があったんですね、シビれます。
看板の「下」の字が落ちて「上」の字っぽくなってますけど、上の字とは左右が逆の状態なので、上の逆は下ってことで結局「下総屋」ってことなんでしょうね。
などと落語の一節みたいなことを思うのも、この場に流れる下町感のせいなのでしょう。
もともとは藍色だったのでしょうか。
何色とも形容しがたい激シブな色合いの暖簾に心踊ります。
関東の方は普通に読めるかもですが、九州の人だとゆかりが薄いので補足しますと「下総屋」と書いて「しもふさや」と読みます。
お店に入りますと、とんでもなく昭和です。
寅さんがふらっと入ってきて「お母さん、おひたしちょうだい」とか言って丸イスにドカッと座りそうです。
この雰囲気たまりません。
一朝一夕では到底出せそうにない空気感です。
東京には「東京都指定民生食堂」なる食堂が存在してるのをご存知でしょうか?
昭和16年、戦時下の食糧難を迎え米は配給制となり、食堂は完全登録制となりました。
それぞれが消費できる米の量が決められ、単身赴任者や独り身など主に外食で暮らす人は、発行された「米穀通帳」を役所に提示して「外食券」を交付してもらい、その券を以って登録された食堂で食事をしていました。
その時代の食堂を「外食券食堂」と呼び、それが戦後の復興の中で米の供給量は増え、闇ゴメが出回り、外食券不要で雑炊だけを提供する食堂が現れ、徐々に物資供給も安定し外食券の必要がなくなったことで、昭和26年に外食券制度が廃止となりました。
この時の「外食券食堂」が、都に指定されて「民生食堂」となった次第です。
かつては都内に500軒以上あったそうなんですが、今はもう3店舗ほどしか残っていないそうです。
「東京都指定民生食堂」の札の上には神棚。
そして棚の中には招き猫と謎の昭和のフィギュア類とおかず。
燻された感のある金色の壁紙が、品と格式を醸し出しています。
ずらっと並んだおかず類。
形容詞に「色とりどりの」とか書こうかと思ったけど、ほぼベージュ。。
でも美味いものって、大抵ベージュか茶色でしょ?
なので全然問題なし!
上の段の魚のおかずはまだ並べてる途中だったけど、この後ずらっと並んで棚を埋めてました。
メニューはこんな感じ。
基本的に魚のおかず300円と野菜のおかず200円に、ごはんと味噌汁のセットが200円。
味噌汁を豚汁に変えると100円アップ。
なんとお肉のおかずは一切ありません。
ちなみにビールや日本酒などお酒もありますが、僕はこの後お仕事でしたので泣く泣く控えました。
僕はたけのこと焼き鯖と味噌汁を豚汁にチェンジ。
これで締めて800円!ということなので、特段お安いってことではないかなと。笑
ま、普通の金額です。
味はなかなか美味しいです。
店内をキョロキョロと見回しますと、Vol.21の斉藤酒場に引き続き、こちらにもなぎら健壱師匠いらっしゃってるじゃないですか!
オツだねぇ〜!
こんな表彰状見ちゃったら、チンカチンカのひゃっこいルービー飲みたくなっちゃうじゃないですか!
その隣にはなんとオザケンこと小沢健二氏のサインまである!
なんで?なになに?
とか思ってたらどうやらこちらの下総屋食堂さん、見た目の良さからいろんなドラマや映画のロケ地となってるらしく、闇金ウシジマくん2、ドクターX~外科医・大門未知子、相棒、世界一難しい恋、ルパンの娘などなど、たくさんのドラマや映画で使われてる模様。
オザケンは「彗星」って曲のMVの撮影でこちらに伺ったようですね。
ちなみにこちらがその彗星です。
おおお!このMV見れば店内の様子が一目瞭然。
しかもお店のお母さんも出演されてるじゃないですか!
いいですねー、これはいい。
さすがオザケン。
お母さん、まだまだお元気で頑張ってくださいねー!
下総屋食堂(しもふさやしょくどう)
住 所:東京都墨田区横綱1−12−33
最寄駅:JR総武線両国駅・大江戸線両国駅
営業時間:9:30~20:00
定休日:日祝日